スーパーの食用油コーナーで、他のオリーブオイルよりも際立って安価な「オリーブポマスオイル」を見かけたことはありませんか。
緑色のパッケージデザインも相まって、一般的なオリーブオイルの一種だと思われがちですが、その価格の手頃さの裏で「オリーブポマスオイルは体に悪い」という噂を耳にし、購入をためらっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、その疑問に専門的な視点からお答えします。
そもそもオリーブポマスオイルとは何なのか、最高品質のエキストラバージンオリーブオイルとの根本的な違い、そして多くの方が懸念する安全性や健康への影響について、深く掘り下げて解説します。
さらに、日々の料理における賢い使い方や、生で食べるのが適しているのかといった具体的な疑問も解消し、あなたが情報に基づいて安心して油を選べるようになるためのお手伝いをします。
- オリーブポマスオイルが体に悪いと言われる理由
- 他のオリーブオイルとの具体的な違い
- 安全性を考慮した上手な使い方と選び方
- 健康への影響に関するメリット・デメリット
オリーブポマスオイルが体に悪いと言われる根拠

- そもそもオリーブポマスオイルとは何か
- 他の油とのオリーブポマスオイルの決定的な違い
- 製造方法から見るオリーブポマスオイルの安全性
- 含まれる脂肪酸とオリーブポマスオイルの健康効果
- 知っておきたいメリットとデメリット
- なぜ価格がこれほど安いのか
そもそもオリーブポマスオイルとは何か
オリーブポマスオイルとは、一言で言うと「オリーブオイルを搾った後の残りかす(ポマス)から、化学的な手法を用いて抽出・精製された油」のことです。通常のオリーブオイルがオリーブの「果実」そのものを物理的に圧搾して作られるのに対し、ポマスオイルは全く異なる製造工程を辿ります。
エキストラバージンオリーブオイルなどを製造する際、オリーブの果実を搾ると、油分と水分(油液)の他に、果肉、皮、種などが混ざった固形物(ポマス)が残ります。
このポマスには、圧搾だけでは取り切れなかった油分がまだ5%~8%ほど含まれています。このわずかな油分を、ヘキサンといった化学溶剤を使って溶かし出し、その後、高温の蒸留プロセスで溶剤を除去。さらに、食用に適するよう精製処理を施したものがオリーブポマスオイルなのです。
「精製」とは具体的に何をするの?
精製工程は主に3つのステップに分かれます。
- 脱酸:油の劣化の原因となる遊離脂肪酸を取り除く工程。
- 脱色:活性炭などを使って、油の色素や不純物を吸着・除去する工程。
- 脱臭:高温の蒸気を吹き付けて、油の好ましくないにおい成分を取り除く工程。
このプロセスを経ることで、オリーブの搾りかす由来の雑味や香りがなくなり、無味無臭で安定した品質の油が完成します。これは、私たちが普段使っている一般的なサラダ油(キャノーラ油や大豆油など)とほぼ同じ製造方法です。つまり、オリーブポマスオイルは「オリーブ由来の原料から作られた、精製された植物油」と理解するのが最も正確です。
他の油とのオリーブポマスオイルの決定的な違い

オリーブポマスオイルと、私たちがよく目にする他のオリーブオイルとの間には、原料と製造方法に起因する明確な違いが存在します。特に「エキストラバージンオリーブオイル」や、日本で一般的に加熱用として販売されている「ピュアオリーブオイル」との違いを理解することは、賢い消費者になるための第一歩です。
国際オリーブ協会(IOC)の基準ではオリーブオイルは厳格に分類されており、その違いを知ることで、各オイルの個性がより明確になります。それぞれの特徴を以下の表で比較してみましょう。
| 種類 | 原料 | 製造方法 | 風味・香り | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| エキストラバージン オリーブオイル | 高品質なオリーブの果実 | 低温圧搾法など、熱や化学処理を一切加えない物理的な方法のみ | 品種や産地由来の豊かで複雑な風味・香り(フルーティー、スパイシー等) | 生食(サラダ、カルパッチョ)、料理の仕上げ(風味付け) |
| ピュアオリーブオイル (オリーブオイル) | オリーブの果実 | 精製したオリーブオイルに、風味を補うためバージンオリーブオイルをブレンド | 穏やかでクセがなく、わずかにオリーブの風味が感じられる | 加熱調理全般(炒め物、ソテー、パスタソースなど) |
| オリーブポマスオイル | オリーブの搾りかす(ポマス) | 化学溶剤で油分を抽出し、その後、高温で徹底的に精製 | ほぼ無味無臭。風味は全くない | 高温での加熱調理(揚げ物、大量の油を使う炒め物)、製菓・製パン |
この表からわかるように、同じ「オリーブ」という名前がついていても、その正体は大きく異なります。エキストラバージンオリーブオイルが、オリーブという果実の個性を最大限に活かした「フレッシュジュース」だとすれば、オリーブポマスオイルは、そのジュースを搾った後の副産物から、工業的な技術を駆使して油分を回収した「リサイクル製品」のような位置づけです。どちらが良い悪いという話ではなく、全く異なる目的と特性を持つ、別のカテゴリーの油として認識することが不可欠です。
このように、同じ「オリーブオイル」という名前でも、選び方ひとつで品質は大きく異なります。
実はこれ、醤油やみりん、塩といった他の調味料にも同じことが言えるんです。「何を選べばいいかわからない」という方のために、プロも認める調味料選びの基準をまとめました。

製造方法から見るオリーブポマスオイルの安全性

「オリーブポマスオイルは体に悪い」という説の核心は、その特異な製造方法にあります。消費者が抱く主な懸念は、「化学溶剤の残留」と「高温処理による有害物質の生成」という2つのポイントに集約されます。
化学溶剤ヘキサンの残留リスク
ポマスオイルの抽出に使われる「ヘキサン」は、原油から作られる有機溶剤です。この名前だけを聞くと不安に感じるかもしれませんが、実は大豆油やキャノーラ油(菜種油)など、市販されている多くの精製植物油の製造で一般的に使用されているものです。
製造工程では、抽出後に高温(ヘキサンの沸点である約69℃をはるかに超える200℃以上)で加熱することで溶剤を気化させて除去するため、最終製品に残留することはほとんどないとされています。
日本の食品衛生法でも厳格な基準が定められており、正規に流通している製品の安全性は確保されています。
高温処理によるベンゾピレンの生成リスク
もう一つの懸念が、精製過程の高温処理(特に脱臭工程)が不適切に行われた場合に、「ベンゾピレン」に代表される多環芳香族炭化水素(PAHs)という発がん性が指摘される物質が生成されるリスクです。
これについて、日本の食品安全委員会のファクトシートによると、PAHsは食品を加熱調理する過程で意図せず生成されることがある物質として広く認識されています。重要なのは、その含有量を厳しく管理することです。
国際的な安全基準による管理
このリスクに対応するため、国際オリーブ協会(IOC)やEUでは、オリーブポマスオイルに含まれるベンゾピレンの最大残留基準値を「2μg/kg(ppb)以下」と非常に厳しく設定しています。
これは、生産者が適切な温度管理と品質管理を行うことを義務付けるものであり、消費者の安全を守るための重要な指標です。信頼できるメーカーの製品は、これらの国際基準を遵守して製造されています。
結論として、製造プロセスには潜在的なリスク要因が存在するものの、厳格な品質管理と法規制によって、市場に出回る製品の安全性は担保されていると考えるのが妥当です。
ただし、化学的なプロセスを避け、より自然な製法の食品を選びたいという価値観を持つ方にとっては、依然として懸念材料となり得るでしょう。
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含まれる脂肪酸とオリーブポマスオイルの健康効果
オリーブポマスオイルは、精製によってオリーブ特有の微量栄養素の多くを失いますが、主要な栄養成分である脂肪酸の組成には見るべき点があります。これが、ポマスオイルが単なる安価な油で終わらない理由です。
ポマスオイルの脂肪酸の約75%は「オレイン酸」です。オレイン酸は、オメガ9系に分類される一価不飽和脂肪酸で、健康に関して多くの有益な情報があります。一方で、多くの家庭で使われるサラダ油(大豆油、コーン油など)は、オメガ6系の「リノール酸」を主成分としています。
現代の食生活では、外食や加工食品の利用増加により、オメガ6脂肪酸を過剰に摂取しがちであると指摘されています。オメガ6脂肪酸は必須脂肪酸ですが、摂りすぎると体内の炎症を促進する可能性があるとも言われています。
そこで、日々の加熱調理に使う油をリノール酸主体のものから、オレイン酸主体のオリーブポマスオイルに切り替えることは、摂取する脂肪酸のバランスを整える上で有効な選択肢となり得ます。
脂肪酸の種類と特徴
油の性質を決める脂肪酸には様々な種類があります。脂肪酸は大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられ、後者はさらに「一価不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」に分類されます。
- オレイン酸(オメガ9):一価不飽和脂肪酸。酸化に強く、善玉コレステロールを維持しつつ悪玉コレステロールを減らす効果が期待される。
- リノール酸(オメガ6):多価不飽和脂肪酸。必須脂肪酸だが、現代人は過剰摂取傾向にある。熱にやや弱い。
- α-リノレン酸(オメガ3):多価不飽和脂肪酸。積極的に摂取したい脂肪酸。熱に弱い。
ただし、忘れてはならないのは、精製によってエキストラバージンオリーブオイルの最大の健康上の利点である抗酸化物質(ポリフェノール類やビタミンEなど)がほぼすべて失われているという点です。したがって、オリーブオイルが持つ抗酸化作用や抗炎症作用といった健康効果を期待してポマスオイルを摂取するのは適切ではありません。あくまで「加熱調理用の油として、脂肪酸組成が良い」という限定的なメリットとして捉えるべきです。
知っておきたいメリットとデメリット
オリーブポマスオイルを家庭のキッチンに迎えるかどうかを判断するために、そのメリットとデメリットを客観的に比較してみましょう。これを理解すれば、どのようなシーンで役立ち、どのような期待には応えられないのかが明確になります。
メリット
- 圧倒的な低価格:最大の魅力は、エキストラバージンオイルの1/3から1/5程度の価格で手に入ることです。揚げ物や炒め物で油を大量に消費する家庭にとって、食費を大幅に節約できる点は見逃せません。
- 高い発煙点と加熱安定性:煙が出始める温度(発煙点)が約240℃と非常に高く、これは他の多くの植物油と比較してもトップクラスです。高温でも酸化しにくいため、揚げ物がカラッと美味しく仕上がります。
- 風味のニュートラルさ:無味無臭であるため、調理する食材の繊細な風味を一切邪魔しません。これはオリーブの強い風味が苦手な方や、バターの代わりにお菓子作りで使う際に大きな利点となります。
デメリット
- 栄養価の著しい低さ:精製プロセスで、オリーブの健康効果の源であるポリフェノール(オレウロペイン、オレオカンタール等)やビタミンE、クロロフィルといった貴重な微量栄養素が根こそぎ除去されてしまいます。
- 製造プロセスへの化学的懸念:前述の通り、化学溶剤の使用や高温処理という工業的な製造方法に対して、ナチュラル志向の消費者からは根強い不安や抵抗感があります。
- 食文化的な価値の欠如:オリーブオイルが持つ、料理の風味を高め、食卓を豊かにするという文化的な側面は皆無です。風味付けとして料理の仕上げに使うことには全く向きません。
これらの点を総合すると、オリーブポマスオイルは「健康効果や風味を求める油」ではなく、「加熱調理の機能性と経済性を追求する油」として、その役割が明確に定義されるのです。
なぜ価格がこれほど安いのか
オリーブポマスオイルが驚くほど安価である背景には、極めて合理的な経済的・工業的な理由が存在します。これは単なる「安かろう悪かろう」ではなく、食品産業における効率化の産物と見ることもできます。
- 原料が「副産物(廃棄物)」であること
最も大きな要因は、主原料がオリーブオイルを生産した後の「搾りかす」である点です。オリーブオイル工場にとって、ポマスは本来であれば産業廃棄物として処理コストがかかるものです。これを原料として買い取ってくれるポマスオイル工場があることは、廃棄コストを削減できるというメリットに繋がります。つまり、原料の仕入れ値が限りなくゼロに近い、あるいはマイナスになることさえあり得るのです。 - 極めて高い抽出効率
化学溶剤を用いる抽出方法は、物理的に圧搾する方法に比べて、原料に含まれる油分をほぼ100%回収できるほど効率的です。少ない原料から多くの製品を生産できるため、単位あたりの製造コストが大幅に下がります。 - 工業的な大量生産
エキストラバージンオリーブオイルのように、天候に左右される果実の品質を厳しく見極めたり、繊細な風味を損なわないよう丁寧に圧搾したりする必要がありません。原料の品質にばらつきがあっても、最終的に精製してしまうため問題なく、巨大なプラントで24時間体制の大量生産が可能です。
これらの理由が組み合わさることで、オリーブポマスオイルは他のオリーブオイルとは一線を画す、圧倒的な低価格を実現しているのです。これは、オリーブという果実を余すことなく使い切る、ある種の「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の一環と捉えることもできるでしょう。
体に悪い?オリーブポマスオイルの正しい知識
- オリーブポマスオイルのおすすめの使い方
- 加熱調理には使える?揚げ物はどう?
- オリーブポマスオイルは生で食べるのに不向き?
- 購入時に後悔しないための選び方
- 結局オリーブポマスオイルは体に悪いのか?
オリーブポマスオイルのおすすめの使い方
オリーブポマスオイルの真価は、その特性を理解し、適材適所で活用することによって発揮されます。キーワードは「加熱調理専用」そして「風味をつけたくない時」です。高価なエキストラバージンオイルを加熱で使うのは、その繊細な香りと栄養を無駄にしてしまう行為ですが、ポマスオイルなら気兼ねなく使えます。
具体的な使い方レシピ例
- 揚げ物全般:鶏の唐揚げ、とんかつ、野菜の天ぷら、フライドポテトなど。高い発煙点のおかげで油の温度が安定し、素材の味を邪魔せずカラッと仕上がります。
- 油を多く使う炒め物:チャーハンや焼きそば、中華料理の野菜炒めなど。無味無臭なので、醤油やオイスターソースなどの調味料の風味を最大限に活かせます。
- オーブン料理:ローストチキンや焼き野菜のシーズニングオイルとして。素材の表面をコーティングし、ジューシーに焼き上げます。
- 製菓・製パン:パウンドケーキやマフィン、クッキーなど。バターの代わりに使うと、乳製品のアレルギー対応になり、風味もあっさりと仕上がります。
このように、キッチンに一本常備しておくと、料理のレパートリーが広がります。重要なのは、「風味と健康はエキストラバージン、機能と経済性はポマスオイル」という風に、それぞれのオイルの役割を明確に分けて使いこなす「賢い消費者」になることです。
加熱調理には使える?揚げ物はどう?

結論を先に述べると、オリーブポマスオイルは加熱調理、とりわけ揚げ物において、非常に優れたパフォーマンスを発揮する油です。
油が加熱されて煙が出始める温度を「発煙点」と呼びます。この温度を超えると、油は急速に劣化・分解を始め、風味を損なうだけでなく、アクロレインなどの有害な化合物を生成する可能性があります。つまり、安全で美味しい加熱調理のためには、調理温度が油の発煙点を下回っていることが絶対条件です。
| 油の種類 | 一般的な発煙点の目安 | 主な用途 |
|---|---|---|
| オリーブポマスオイル | 約240℃ | 揚げ物、炒め物、オーブン料理 |
| ピュアオリーブオイル | 約220℃ | 炒め物、ソテー |
| エキストラバージンオリーブオイル | 約180℃~210℃ | 生食、料理の仕上げ、低温ソテー |
| バター | 約170℃ | ソテー、製菓 |
一般的な揚げ物の調理温度が170℃~190℃であることを考えると、発煙点が約240℃もあるポマスオイルには十分なマージンがあり、非常に安定していることがわかります。高温でも油が劣化しにくいため、揚げ物がベタつかず、サクッとした食感に仕上がります。
実は、高級な天ぷら専門店などでは、素材の繊細な風味を活かすために、ごま油のような香りの強い油ではなく、あえて無味無臭の精製された綿実油や大豆白絞油などが使われることがよくあります。オリーブポマスオイルも、これらと同じ「素材の味を邪魔しない加熱専用油」というカテゴリーで考えれば、その有用性がよくわかりますね。
オリーブポマスオイルは生で食べるのに不向き?

オリーブポマスオイルを生で食べることは、機能的にも食文化的にも全くおすすめできません。
もちろん、食品としての安全基準は満たしているため、万が一口にしても体に害があるわけではありません。しかし、生で摂取するメリットが皆無なのです。これは例えるなら、出汁の代わりにただのお湯を使ってお吸い物を作るようなものです。飲めなくはないですが、本来の目的である風味や旨味は一切得られません。
生食が推奨されない2つの決定的理由
理由1:官能的な価値がない(美味しくない)
私たちがサラダにオリーブオイルをかけるのは、その青々しい香り、ピリッとした辛味、フルーティーな味わいといった感覚的な喜びを求めているからです。無味無臭のポマスオイルをかけても、料理は美味しくならず、ただ油っぽく感じられるだけです。食体験を豊かにするどころか、むしろ損なってしまいます。
理由2:栄養的な付加価値がない
生のオイルを摂取するもう一つの目的は、加熱に弱い有益な栄養素を効率的に摂ることです。エキストラバージンオリーブオイルに含まれる抗酸化ポリフェノールやビタミン類は、まさにその代表格。しかし、ポマスオイルは精製によってこれらの成分を失っているため、健康効果を期待して生のまま摂取する意味はないのです。
結論は明確です。オリーブポマスオイルは「加熱専用の調理油」と明確に位置づけ、ドレッシングやパンにつけるなど、生でオイルの風味を楽しみたいシーンでは、必ず品質の良いエキストラバージンオリーブオイルを選びましょう。
購入時に後悔しないための選び方

オリーブポマスオイルを「加熱用の経済的な油」として正しく理解し、納得して購入するためにも、賢い選び方のポイントをいくつか押さえておきましょう。安さだけに飛びつくのではなく、以下の点を確認する習慣をつけることが大切です。
- ラベルの表記を正確に読み取る
最も重要なのは、商品のラベルを注意深く確認することです。「食用オリーブ油」という大きな文字だけでなく、品名欄に「オリーブポマスオイル」または英語で「Olive Pomace Oil」と明確に記載されているかを見ましょう。時折、消費者の誤認を誘うような紛らわしいデザインの製品もあるため、品名と原材料名のチェックは必須です。 - 信頼できるメーカーと販売ルートを選ぶ
品質管理の基準はメーカーによって差がある可能性があります。長年の販売実績がある国内の食品メーカーや、信頼できる輸入代理店が扱っている製品、大手スーパーマーケットのプライベートブランドなどを選ぶと、より安心感が高いでしょう。 - 容器の素材と状態を確認する
油の品質を損なう最大の敵は「光・熱・酸素」です。光による酸化(光酸化)を防ぐため、透明なペットボトルに入った製品よりも、光を遮断する効果の高い濃い色の遮光瓶や金属製の缶に入ったものを選ぶのが理想的です。もしペットボトル製品を選ぶ場合は、店の棚の奥にある、照明が直接当たっていないものを選ぶといった工夫も有効です。
「体に悪い」という断片的な情報だけで思考を停止させてしまうのは、非常にもったいないことです。オリーブポマスオイルの工業的な背景を正しく理解し、そのメリットとデメリットを天秤にかけた上で、「我が家の食生活では、この用途なら活用できる」と判断できることこそ、情報に振り回されない賢い消費者の姿だと思います。
結局オリーブポマスオイルは体に悪いのか?
この記事を通じて解説してきた内容を、最終的な結論として要点にまとめます。
- オリーブポマスオイルはオリーブの搾りかすを再利用した油
- 化学溶剤による抽出と高温精製という工業的な製法で作られる
- 「体に悪い」説は主にこの製造方法への懸念に由来する
- 市場に流通する製品は国内外の厳格な安全基準をクリアしている
- 主成分は酸化に強く健康的な脂肪酸であるオレイン酸
- オリーブ特有のポリフェノールやビタミンなどの栄養素はほぼゼロ
- 最大のメリットは圧倒的な低価格と約240℃という高い発煙点
- デメリットは栄養価の低さと風味の欠如、そして化学プロセスへの懸念
- 揚げ物、炒め物、オーブン料理など高温の加熱調理が最適解
- 風味も栄養も期待できないため生食での使用は全く推奨されない
- エキストラバージンオリーブオイルとは用途も価値も異なる全く別の油と認識すべき
- 「加熱専用の経済的な調理油」と割り切れば非常に有用な選択肢
- 購入時は品名表示をしっかり確認し、信頼できる製品を選ぶことが重要
- 全ての油は一つのものが万能なのではなく、目的と用途に応じた使い分けが最も賢い
